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雨の日のきもの

こんにちは、`にしわ’社員の徳川です。
東京も梅雨入りとなりました。
道を歩けば紫陽花が至る所に咲いています。
紫陽花は、咲いてみないと色が分からないと先日テレビを見て初めて知りました。
(土が酸性かアルカリ性かで変わるみたいですね)
可憐でミステリアスです。

梅雨真っただ中、今回は雨の日の和装についてお話したいと思います!
雨の日はどうしても着物を敬遠しがちですよね。

しかし、雨の日は雨の日のおしゃれがあります。
着物は季節感を楽しむお召物ですから、ぜひ雨の日も楽しんでいただきたいと思います!

では実際、どうしたらいいか。
詳しくは後述しますが、雨の日の装いはこんな感じです↓

◆お召物

・ポリエステルきものシルック
洗えるきものなので、雨に濡れても縮む心配がありません。
泥ハネなどで汚れてしまっても、洗濯機で洗えるので安心です。

ポリエステルのお着物はゴワゴワしていて着にくいし、見た目からもポリと思われる……というデメリットがあります。
しかし、当店でもお取り扱いのある東レさんのシルックは そのデメリットを克服するお着物です。
正直、着てしまえば絹なのかポリなのか分かりませんし、技術の進化で肌触り・着心地はなめらかです。
絹の良さは確立されていますが、雨の日や汗をかく日にはシルックに挑戦してみるのもおすすめです。

・絹もの
それでもやっぱり絹が好き、という方には、パールトーン加工がおすすめです。
なんと言っても風合いそのままに撥水をしてくれるのでありがたいですね。
昔は撥水加工というとパリパリしてしまったようですが、今は加工前と加工後ほとんど変わりありません。

また、泥ハネなどで汚れてしまっても、糸に汚れが入り込まないのでちょっとしたお手入れ(専門店さんに出してくださいね)で汚れが落ちます。

パールトーンについて詳しくは以前の記事をご覧ください。
【パールトーンってすごい!!】


◆雨コート
さて、お召物が決まったら上物を用意しましょう。
雨が降っているときは、裾まである雨コートが安心です。

〇一部式・二部式
雨コートは一部式、二部式とありますが、脱ぎ着するときには一部式が便利です。
サッと羽織れて、サッと脱げますので、室内へ入るときなどは一部式が良いでしょう。

また、当店では匠コートという形のお仕立てをおすすめしています。
匠コートは、紐が胴回りを一周し、裾を少し上げてくれるので『裾すぼまり』になり着姿がとても綺麗です。
衿は『きもの衿』で、着物と同様に衿と衽を作っているので胸元・脇辺りがすっきりします。


(こうして描いてみると、‘紐一周’ではなく‘紐半周’なのでは?と思いましたが、羽織った時の右腰から回すと考えると、紐は一周でした)

シルックでお作りいただくと、雨コート独特のツルっと感がありませんので晴雨兼用になります。
雨の切れ目などにも違和感なくお召しいただけます。
お着物同様、雨に濡れても縮まず、汚れたら洗濯機で洗えるのでとても便利です。

私はシルックの匠コートで、裏地を付けず肩すべりだけ付けて、雨コートとしても防寒コートとしても使っています。
真冬は寒いので匠コートの上から厚手のショールをかけたりしています(((´・・`)))

正絹の雨コートは織り方や撥水加工が様々ありますので、お近くの呉服屋さんにご相談ください。

また、仕立て上がりのものも様々な種類がございます。
お仕立てが必要ないので急に必要になった場合はご活用くださいね。

こちらは収納ポーチも付いているので便利ですよ(^^)


◆撥水足袋
さて、コートも揃って今度は足元です。
足袋が濡れてしまった場合を想定して、撥水機能付きの足袋を履いておくと安心です。
また、普段の足袋の上に撥水の足袋カバーを履けば、大事な場面でカバーだけ脱いで綺麗な足袋で出席ができます。



◆雨草履
屋外では傘をさすので、上半身はあまり濡れることはありませんが、一番雨の影響を受けやすいところは足元です。
雨用草履は、つまカバーが付いているのでつま先が濡れません。
また、底はゴムになっているものが多く、滑る心配が軽減されます。
高さもあるので、雨のハネ返りを受けにくくなります。

少しの雨でしたらカレンブロッソ(菱屋さん)もおすすめです。
つまカバーは付いていませんが、底がゴムになっていて かかとが斜めになっています。
歩いている時に雨のハネ返りを軽減するため、かかとが削れているのだそうです。(頭いい!)
鼻緒の底から水が入り込んで、鼻緒が濡れて足袋に色が付いてしまった、という方も少なくないと思います。
底がゴムになっていることによって、浸水を防止すると共に滑りにくくなります。

晴れている日に履いても全く違和感がないので、重宝するかと思います。
とても歩きやすく、お着物好きの方は皆さん持っている、当店でも人気商品です。


◆傘
お着物のときは大きい傘をご用意ください。
お洋服の時と違って帯もあり、袖が長い上に重ね着をしているので幅を取ります。
雨の量が多い日や、正絹を着ているときには十分お気をつけください。

意外と厄介なのが傘を閉じたとき。
傘の表面がびっしょり濡れていると、お召物に触れた時が心配です。
そんなときは、表面をカバーしてくれる傘を選ぶと便利です。

こんな傘もあります(面白いですね!)
お洋服の時でも、交通機関やお車で床をびしょ濡れにしないので活躍しますよ。


◆雨の日の持ち物
ご自身の防備はできました。
次は、雨の日のお出かけに持っておくと便利はものをご紹介します。

〇替えの足袋
 万が一濡れてしまった時、濡れた足袋のままお家や座敷にはあがれません。
 備えあれば患いなし、必ず持ち歩きます。

〇撥水のエコバッグ・撥水の風呂敷・ジップ付きビニール袋 etc…
 雨コートを収納するために大きめのもの、
 濡れた小物類を収納するために中くらいのものを用意しておくと安心です。

〇手ぬぐい
ハンカチでも良いのですが、布が大きい割にかさばらない手ぬぐいを持っておくと何かと便利です。
雨を拭く以外にも、少しの移動の際に肩にかけて雨を防いだり、お食事エプロンとして膝にかけたりできます。

〇きものクリップ
 泥ハネ防止のため、着物の裾をあげるために持っておきます。
 詳しくは後述します。

 私は雨の日だけでなく、いつも持ち歩いて帯を直したり、裾を上げて掃除をしたりするときに使います。
 (一時的に書類を挟んだりしていますが、一般的にはあまり機会はないかな……)



◆雨の日の着付け
雨の日は少し着丈を短くすると、泥ハネ汚れを予防できます。
また、コートを着る場合は着物の裾を帯へ預けると安心です。

コートを着てしまえば分かりませんが、コートを脱ぐときは人目につかないところで着物を下ろしてから脱いでくださいね。

また、対丈のコートは踏みやすいので、段差などでは片手で少し裾を上げて転ばないよう注意してください。



このように着物は気に掛けることが多いですが、それだけ愛着を持ってお召しいただいている、ということだと思います。
冒頭にも書きましたが、着物は季節を感じながら着ていただくお召物です。
梅雨は梅雨らしく雨を楽しんでいただければ幸いです。
これは贅沢な帯ですが‥‥‥

絽の生地に紫陽花のお柄です。
紫陽花の季節真っただ中。
単衣も後半は季節を先取りして絽の帯をお召しいただけます。
ほんの少しの期間ですが、季節を感じる素敵な帯です。
帯や着物だけでなく、帯留めなどでも季節感を出すことはできます。
どうぞ色々な工夫をして、季節を感じながら梅雨を楽しんでいただければと思います!

着物を守るため、雨予報の日には万全な態勢でお出かけをしてください。
雨ニモマケズ着物のお洒落を楽しみましょう(^^)/

本日もお読みいただきありがとうございました☆゜

今日はレインブーツで出勤したら左足だけびっちょり濡れていました。
レインブーツなのに……。
どこか隙間が空いてしまったのでしょう。
今朝は寒かったので、足が濡れて更に体が冷えました。
気温差が激しいこの頃です。
今日は寒いと思ったら明日は33度まで上がるのだとか(八王子)
体調を崩さぬようお気をつけください。

 

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‘きものにしわ’は八王子で190年続く
老舗きもの専門店です。
黒留袖・お振袖〜おしゃれ小紋・紬まで
豊富な品揃えでお客様をお迎え致します。

社内に悉皆師が常駐していますので、
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前結び着方教室(着付け教室)では、
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