八王子の着物・振袖の専門店

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着物の柄に込められた願い

桜の便りも届き、八王子の桜も満開が近くなってきました。
いよいよ春ですね。
良い陽気に着物を着たくなります。

さて、着物や帯の文様は織ってみたり、描いてみたり、手法は様々ありますが、その文様自体もそれぞれ意味があり、種類も様々です。
日本人は古来から、柄に願いを込めて身に纏っていました。
今回は、そんな着物の柄にもなっている文様についてご紹介させていただきたいと思います。

人の願いは様々です。
健康でいたい、恋愛を成就させたい、繁栄したい、芸が上手くなりたい・・・

今回はとりわけ健康に関わる柄をご紹介したいと思います。
特に『疫病退散』は今、全人類の祈りではないでしょうか。
少し前から流行っているアマビエ様も疫病を追い払う妖怪ですね。

私のファイルにも可愛いアマビエ様がいます。

それでは、本題に戻してお着物のお写真と一緒にご紹介していきます。

■ 菊 文様
《疫病退散》《立身出世》《技芸上達》

菊は中国より薬草として日本に伝わりました。
『重陽の節句』は菊酒を飲んで無病息災・長寿を願う節句です。
『菊の節句』ともいわれ、行事の別名になるほど菊は万能な薬草ということです。
菊には抗炎症作用があり炎症を抑えたり、眼性疾患やイライラ、めまいにも効くそうです。
今では漢方に配合されているのだそうです。


《お写真は、訪問着に施された菊文様です。金駒刺繍で立体感を出しています》


■ 牡丹 文様
《無病息災》《子孫繁栄》《商売繫盛》

根に薬効があることから、健康への願いが込められています。
そして百花の王、牡丹は豪華さや富貴を表します。


《お写真は、お振袖用の長襦袢です。お振袖はお袖が長いので、着物よりも振りから長襦袢が覗きます。お色やお柄をこだわると、おしゃれ感が数倍アップします》


■麻の葉 文様
《災難厄徐》《子孫繁栄》《安産祈願》

麻の葉は、成長が早く、生命力があり、真っすぐ伸びることから、古くから健康祈願を込めて用いられてきました。
また、今でこそ大麻は麻薬として禁止されていますが、かつては薬草(茎)として使われたり、衣服の素材として使われていました。
麻の葉文様自体に魔除けの意味もあるようです。


《お写真は、紹巴お召の麻の葉文様です。無地感覚でお召しになれますので、帯合わせも多様に楽しめます》


■ 竹 文様
《災難厄徐》《子孫繁栄》《神仏加護》《男女和合》

『古事記』では、竹の葉と塩で作る『竹塩』を用いて魔を払うことができるとされています。
また、竹は成長が早く生命力旺盛なので、子供の健やかな願いが託されたといいます。
節があることから『節度がよい』、竹の青さは『清浄』を意味します。
しなやかで強く、折れることのない竹はご自身にも、お子様にも力を与えてくれるはずです。


《お写真は、しなやかに伸びる竹文様が印象的なお振袖です。縦柄は着姿がシャキッと美しくなりますね》


■ 菖蒲 文様
《魔除け》《災難厄徐》《無病息災》《武運長久》

菖蒲には強い解毒作用があり、魔除けとして古くから使われていました。
さらに、菖蒲の葉の香りは厄災を払うとされ、魔除けのお守りでした。
今でも『端午の節句』では魔除けのため、菖蒲湯に使われています。
また、その名が『勝負』『尚武』に通じることから、武運を呼び込む縁起の良い文様とされていました。


《お写真は、袋帯の菖蒲文様です。貝紫が鮮やかで存在感演出してくれます》


■ 達磨 文様
《疫病退散》《心願成就》《合格祈願》

だるまは、禅宗の開祖『菩提達磨」から生まれた縁起物です。
これは達磨の長寿にあやかったものです。


《お写真は、達磨文様の名古屋帯です。端に見えるフサフサは和紙です。和紙を織り込むことにより柔らかく締めやすくなります。和紙が入ることにより温かさが感じられますね》


■ 燕 文様
《災難厄徐》《無病息災》《家内安全》

ツバメは軒下などで巣作りをし、家の周囲の蚊やハエなどの害虫を食べてくれることから、『病気を遠ざける』と言われています。
また、雛が産まれると夫婦で子育てをするので『家庭円満』の象徴とされています。


《お写真は、琉球紬のツバメ絣です。カジュアルな装いが着物通を感じさせます》


■瓢箪 文様
《無病息災》

ひょうたんが六つ揃うと「六瓢(むびょう)」となり、「無病」に通じることから無病息災の願いを込めて六つの瓢箪を用いました。


《お写真は、瓢箪文様の羽裏です。羽裏はほとんど見えませんので、思い切ったお柄を入れたり、楽しめますね》


■鱗 文様
《災難厄徐》《金運上昇》

蛇が脱皮することから、厄を落として再生する厄除けとして用いられてきました。
また、古墳の壁画や埴輪にも描かれていて、呪術性のある文様ともされています。


《お写真は、鱗文様の長襦袢です。長襦袢は肌に一番近いところなので、より身を守ってくれそうな気がします》


このように、柄にはそれぞれ願いが込められていて、それを着ることによってご自身の身をあらゆる災難から守ってきました。
『病は気から』というように、柄に守られているという強い心を持っていると、病気や災難も寄せ付けないような気がします。
気持ちを強く持って生き抜いていかなければいけませんね。

本日もお読みいただきありがとうございました☆゜

今年はお花見もできず、残念ですが
私は営業車からお花見をしながら走っています。
今年はいろいろなお花見のやり方が生まれそうですね!


 

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